Illumination

主人公の幸せが一秒でも続くように

映画やドラマの感想をメモ程度に書いていきます。ネタバレご注意ください。一番下にカテゴリ欄ございます。

【映画】ダークナイト【感想】※ネタバレ注意


【映画】ダークナイト【感想】※ネタバレ注意

ついにジョーカーが出てきました!初っ端から銀行強盗してました。しかも協力していた犯罪者たちを芋づる式に殺してた…結局分け前を一人で横取りするつもりなんでしょうか。とても非道です。あれだけ大勢の男たちが銃をぶっ放しているとき一人ショットガンで反撃していたかっこいい銀行員の人いましたよね。マホーン捜査官!!(俳優:ウィリアム・フィクナー)そう、プリズンブレイク シーズン2から登場していたFBI捜査官の彼です。わたし海外ドラマでは一二を争うくらいにプリズンブレイクが好きなので登場したときとてもテンションがあがりました。何度みてもかっこいいしスーツが似合いますね。銀行にショットガンが常備されてるって流石海外なのかここがヤクザの根のはる銀行だからなのか。
この街の治安ではショットガンを慣れたようにバンバン撃つくらいじゃないと銀行の支店長にはなれないんですよきっと。ジョーカーに咥えさせられてたのがもしかしてダイナマイト!?かと思いヒヤヒヤしましがそうではなくて安心しました。死なないでよかった。もう彼の登場ないのかな?もしかしてもう一回くらい、とか思いましたが今作ではこの冒頭だけの登場でした。残念。

ジョーカーもバットマンと同じく特別な能力がある訳ではなく身体的には普通の人間なんですね。それでも行動のひとつひとつが気味悪いのはきっとあのメイクのせいでしょうか。絵具をベタ塗りしたようなメイクはとても綺麗とは言えませんがその汚さが余計恐怖をあおっているような気がします。
バットマンが治安を良くしようと頑張るほど今まで悪さをしていた連中たちがそれに怯えてジョーカーの口車に乗せられ犯罪をしてしまうっていう負のループが見ていてもどかしい。

恋模様にも動きがありましたね。
一作品目ではブルース(バットマン)といい雰囲気だったレイチェルがまさかの新キャラ、検事のハービー・デント(アーロン・エッカート)に恋しちゃってました。ジョーカーに捕まり無惨に死んでしまった彼女の本心が書かれた手紙もブルースに届くことなく最後は執事さんの判断で燃やされてしまったので彼女の本心を知るのは今や彼だけ。
知らないほうが幸せなこともある、ということでしょうか。
事情はどうあれ信頼していたハービーも悪の手に堕ちてしまったし最愛のレイチェルも殺されたブルースにこれ以上追い打ちをかけるようなことはしたくなかったんでしょうね。
ブルースのメンタル管理も気遣う本当に有能な執事さんです。

舩のシーンも良かったです。
舩が二隻あり、時計の針が12時を指すまでにどちらかが起爆スイッチを押さないと両方が爆破する、というものでした。まるで囚人のジレンマのような状況。片方は実際に囚人を護送する船でしたし、一般市民を乗せた船では「一般人の我々が助かるべきだ!」という当然の意見も飛び交っていました。
どちらか先の押すのか、押さないのか、と緊迫した状況の中時計の針はもうすぐ12時を指します。
ここで囚人側のコワモテの黒人男性が起爆スイッチを持っている警察官にこういいます。
「貸せ。お前が10分前にするべきだったことを俺がやってやる」と。
爆破しちゃうのか!?と、思いましたがそうではありませんでした。

ポイっ。

なんとその起爆装置を海の外に投げたのです。
い、イケメンかよーーー!!!と思わず叫びました。
もう片方の船も最後までスイッチは押さなかったのと、この後バットマンがジョーカーを吊る上げしてくれたお陰で結局どちらの船も助かりました。
実際は誰か一人くらいパニックを起こして慌てふためくものかと思いましたが二隻の船に乗っていた人たちは案外とおとなしかったです。
それが少し気になりはしましたが人間が根底に持っている善意やこうあるべき正しさのようなものを証明してくれたようで感動しました。
極限状態に追い込み人間の醜い争いを想像していたジョーカーにとっては思いがけない誤算だったと思います。してやったりですね。
ジョーカーの勝手な悪意でそう簡単に世界が地獄になると思うなよ、という気分です。

タイトルをあまり意識せず映画を観たので最後の最後で「ダークナイト」とは「バットマン」のことだったんだな、と気づかされたときはハッとしました。そのままだと闇の騎士、になるんでしょうか。闇というとジョーカーのような悪のイメージが強いですが闇=悪という訳ではないんですね。
バットマンは自分はヒーローではないと作中で口にしていますがハービーという希望の光を守るために自ら悪役になることもいとわないバットマンは事情を知る警部さんやその家族、そして鑑賞しているわたしから見れば紛れもなくこの街のヒーローだと思います。

ダークナイトを見る限りだとジョーカーはただの狂った極悪人くらいにしか思えませんでしたがその過程が描かれている映画「JOKER」を観ればまた視点も変わるのでしょうか。事情が分かると少しは同情が生まれたりするのかな…。深く傷つけられた人に対して「復讐はいけないことだ」なんて正義ぶった台詞も自分には吐けません。ただ想像もできないくらい悲惨な過去を経験したとしてもそれを免罪符にして好き勝手していいことにはならないので憎しみの置き場って本当に難しいですね。


近々「JOKER」を観に行きたいと思います。