Illumination

主人公の幸せが一秒でも続くように

映画やドラマの感想をメモ程度に書いていきます。ネタバレご注意ください。一番下にカテゴリ欄ございます。

【ドラマ】知らなくていいコト【感想】※ネタバレ注意

【ドラマ】知らなくていいコト【感想】※ネタバレ注意

 

このドラマでいう「知らなくていいコト」というのは最終回で回収されていた「事件の真相」でした。人殺しだと思っていた父親が実は3歳の息子を庇って犯罪者になってしまった。
30年の時を経て世間に公表するのかと思いきや上からの圧力でお蔵入り。
ケイト同様わたしも気が抜けた思いでした。
30年間秘密を守り続けた父親のお陰(?)で何も知らない息子はドイツでピアニストとして幸せに暮らしている。
今更それを壊すようなことは今までノトアが耐えてきた時間が無駄になるとは思いますが真相を知らないまま大切な家族を亡くしてしまった被害者家族を思うと居たたまれない気持ちです。無差別に殺された挙句、理由が分からず殺されたなんてやり切れませんよね。そして犯人(だと思われてる)ノトアは30年越しとはいえ出所しているんですから。真実を知っても殺された遺族は戻ってくる訳ではありませんが「無差別で故意に殺された」というのと「3歳の子供が起こした事故」とでは受け止め方もだいぶ違うのではと思います。ノトアやケイト、週刊誌目線であればこの真相は「知らなくていいコト」ですが被害者側で見ると「知るべきコト」ではないでしょうか。

またケイト単独での取材や捜査なら別ですがこの真相に至るまでに沢山の社員が関わっていたと思います、その中の誰かが他人に話したりすることはないんでしょうか…野中のように。仮にも週刊誌なのに。組織ってそんなもんですか。身近にこんな大きな事件が実は冤罪だったなんで、秘密にするのも大変そうですね。

そしてケイトと尾高さんの不倫関係の行方といえば最終的に尾高さん側の家庭がバラバラになって終了…。ケイトもそのお母さんもお互いに不倫関係も持ってしまった末、相手側の家族を壊してしまっているのだから不倫って罪深いですよね。家庭を持ち奥さんと子供を大切にしている尾高さんだからこそ視聴者側のわたしでも魅力を感じておりましたがそれを捨ててでもケイトと一緒になりたいと思った尾高さんに一気に魅力を失くしてしまったのはわたしもケイトも同じなのかな(笑)ケイトも尾高さんの為だと言ってきれいな言葉を重ねてフってましたが、要は結婚するほど好きじゃないんだろうなあと思いました。人のものほど欲しくなる、追われると冷めてしまう。そんなタイプなのかも、ケイトって(小悪魔ですね)「犯罪者の娘」でも好きでいてくれた尾高さんではあるけれど、結局犯罪者の娘ではないことが分かりケイト自身も身軽な気持ちになれただろうし「犯罪者の娘でも好きになってくれるのは尾高さんくらいしかいない」って思いもあったのかも。
元カレ・不倫を吹っ切り・そしてキャリアアップ、辛いこともたくさんあったけど再スタートを切れているケイトの物語としてはハッピーエンドなのかな。尾高さんって感情があまり読めなタイプなだけにいきなり離婚を切り出された奥さんも可哀想ですね。乳幼児を部屋に一人置き去りにしてしまうのは生死に関わることなので絶対にいけないことですがそれ程までに精神的に追い詰められたんだろうなと思うと胸が痛いのでやっぱり不倫は罪深いです(二回目)乳幼児の置き去りもいけません(二回目)

 

【追記】
野中くん!重岡くん!キャラが大好き(笑)
芥川賞なんてすごいし小説:「闇落ちする亀」ってどんな話なの?(笑)
キャラ的には最低男だったけどなんだかんだ一番好き(笑)

 

【ドラマ】シャーロック アントールドストーリーズ(※スペシャル含)【感想】※ ネタバレ注意

【ドラマ】シャーロック アントールドストーリーズ(※スペシャル含)【感想】※ネタバレ注意

 

内容はタイトル通り小説家アーサー・コナン・ドイルの作品で「シャーロック・ホームズシリーズ」を題材にしている物語です。私自身のシャーロックホームズの知識は「名探偵コナン」やジャンプSQで連載中の「憂国のモリアーティ」からきているものが主で、実際の小説を読んだことはありません。(あとはWikipediaなんかで調べたり)
シャーロックホームズには色んなパロディや解釈があるようなのでどんな形で落とし込んでも賛否両論の意見はあると思うんですが、今回のドラマ版に関しては舞台が東京であることもあり世界的な大作であるシャーロックホームズをより身近に感じることができるのかな、と期待しつつ鑑賞……、と、表向きはそう言いたいところなんですがすみません。本当の目的はシャーロック役(誉 獅子雄)ディーン様(ディーン・フジオカ)とワトソン役(若宮 潤一)岩ちゃん(岩田剛典)のタッグが見たいだけでした!!(本音)この二人が組むなら正直シャーロックじゃなくても観てました。各々好きなアーティストさん、俳優さんなのでこの二人が組むとどんなお話になるんだろう…!!とそっちのワクワク感が大きかったです。見栄え的にも。そしてレストレード警部役(江藤礼二)に当たるのは佐々木蔵之介さん。この三人が中心のドラマが面白くない筈がない!!とバラエティの番宣なんかも絵的に楽しませてもらいながら放送日を迎えた訳です。それぞれ違うカッコよさがあっていいですよね。

そんな見た目ばかりを追って観始めたドラマでしたが観ていると物語の中の殺人方法や動機も他に例を見ない内容だったのでとても面白かったです。頭脳明晰と言われるホームズ役に引け劣らないくらいディーン様の演技もかっこよかった…。凡人には理解できない行動でがつがつと他人の領域に踏み込んでくる獅子雄に振り回されつつ協力してくれる若宮くんもどこか可愛くて。スペシャルでは行方知れずの獅子雄を真似て白衣風のロングコートを着て自信満々に推理する姿なんてもう可愛すぎで溜息が出ました。この演技は岩ちゃんにしか出来ないのでは。獅子雄が守谷と海に落ちたシーンはあのかの有名な「ライヘンバッハの滝」でシャーロック・ホームズとモリアーティ教授が落ちたシーンかと思うのですがドラマの11話が終了してからすぐにWikipediaを見たわたしは色んな事情でシャーロックが生還したことを知ってしまったので獅子雄もまた生きているんだろうなとぼんやり思いながら。でもあの直後の捜索で二人とも見つからないのはすごいですよね。泳いでどこかに潜んでたの?…守谷も?そういえばシャーロックシリーズでも人気の人物であるモリアーティ教授を演じた俳優さん(大西信満)わたしは存じてなかったんですが正直この方が守谷なのか…と、なんとなくがっかりもしたり。最後の最後まで正体が分からないのとあれだけ大きな存在として扱われていただけに一目見れば名前が分かるくらいの俳優さんが出てくるのでは?!と想像していたのですがそうでもなく。(勉強不足ですみません)(勝手な理想でいうと北〇一輝さんとかでないかな~とか思ってました/完全な好み)本人でさえも作中で「自分が本当の守谷ではないかもしれない」と言っていたのでこの人は守谷の影武者なの?と一時頭が混乱しましが、それはそれで国を動かせるほどの影響力のある守谷ならあり得なくはないのかなと思いました。
話が前後しますが獅子雄のお兄さん役マイクロソフト・ホームズに当たる誉 万亀雄役(高橋克典)もかっこよかったですね。高橋克典さんが登場した瞬間、以前のドラマ「モンテクリスト伯」を思い出したのでまたこの二人共演が見れて胸熱でした。モンテクリスト伯、とても好きだったな…そう思ってたらそもそもこのドラマのプロデューサーさんや演出さんが「モンテクリスト伯」のドラマに携わっていた方だったんですね。物語に登場していた配役が時々モンテクリスト伯っぽいな~と思っていたので納得です。獅子雄の宿敵として描かれていた守谷がこのドラマ上では一応死んだことになっていると思うんで(多分)物語も終わってしまいましたが獅子雄の求める謎や興味がまだこの世界にはあるのかなと思いますし、だからこそ若宮の元に戻ってきたんだろうなと思うので続編があるなら是非とも観てみたいです。というかこの二人のタッグが純粋にもっと見ていたい。

結論:日本版のドラマ シャーロック、大満足です。

 

【追記】
物語の冒頭でいつもカメラ越しに「シャーロック」「ワトソン」「レストレード」って名前を書くシーンかっこよかったな~。

 

 

【映画】IT2 イット THE END “それ”が見えたら、終わり【感想】※ネタバレ注意

【映画】IT2 イット THE END “それ”が見えたら、終わり【感想】※ネタバレ注意

 

とにかく面白かったです。3時間があっという間に過ぎ去るくらいに退屈しない演出とサクサク進んでいくストーリー展開でした。あとホラー映画でこんなに感動することがあるのかってくらい泣けました(恐怖ではなく感動の方)

前作を去年の夏に映画館で鑑賞してまして次回作があるなら同じような時期かと思いきやがっつり冬の公開で、冬にホラー映画見るって冷凍庫の中でアイス食べるくらい追い詰められてるなって思うんですけど「1」のときは子供だった彼らがその後どうなったのかとか、“それ”(ピエロ=ペニーワイズ)がどうやって退治されるのかなとか、自分がピエロに遭遇したときの参考にしようようと思って(遭遇したくないけど)鑑賞しました。単純にピエロ物のホラーが好きなのもあります。

ストーリーの冒頭はお祭りデートを楽しむゲイカップルの登場から始まります。
小さな子供に混じって本気で射的をしたりキスをしたりとっても微笑ましいシーンだったんですがそれもつかの間です。街の不良がやってきて「ゲイだから」という理由で絡まれしまいには「街を出ていけ」と暴力を振るわれます。それだけでも見てられないくらいヒドイんですが片方は喘息の呼吸器を奪われ、意識がなくなるまで殴られたあと橋から川に放り投げられてしまうんです。その川も穏やかではなく割と流れの早い川で、こんなのもう殺人ですよね。この時点でペニーワイズよりもコイツらの方がヒドイじゃん…って思って恐怖というかこの街の冷たさというか、冒頭から心がえぐられるようなシーンを見せつけられました。恋人が投げられたのを目の当たりにして助けに向かう彼氏ですが川にの下まで向かうとそこには自分の恋人を抱えているペニーワイズが。あ、助けてくれたのかな?頼むからそのまま返してあげてね!と思いましたがそんな良心のあるピエロがホラー映画の主人公な訳もなく、あの独特な大口を開けて恋人の心臓をガブリと食べてしまいます。その光景を見た彼氏の叫びが本当に悲痛で悲しかった…。

「1」でペニーワイズから逃れた少年少女はいつかまたこの街で“それ”が現れたらもう一度集まろう、という約束の元この時の仲間であるアフリカ系の少年、マイク(イザイア・ムスタファ)の呼びかけで再び彼らは街に戻ります。「2」は少年期だった「1」から27年後の世界ですからもう40歳設定にはなっている彼らがどんな大人になっているのかもこの作品の見どころですよね。個人的には、というか誰の目から見てもそうなんですが一番変わったのはベンですよね!子供の頃はぽちゃりと太っていていじめられていたあのベンがなんと痩せてイケメンで、仕事の出来るいい男性になっておりました。やーーー惚れる。ストーリーを追うごとに見える彼の性格とか所作とかもこの中ではダントツにかっこいいです。しかも27年経った今でもヘバリー(ジェシカ・チャステイン)への想いを胸に秘めたまま大人になっていて…正直こんなにかっこよくて仕事もできるベンなら引く手あまたでモテるだろうに…。なんて男前なんでしょう…。このときヘバリーはお金持ちそうだけどDVの激しい男性と結婚してましたがマイクの呼びかけをきっかけに指輪を捨て身一つと少ない荷物で彼らと再会します。27年振りに見たヘバリーの、変わらない美しさにぽわわーんと見とれているベンが可愛かったですね。中華料理屋さんでのやりとりは同窓会のようでみんな楽しそうに飲み食いしていたのが微笑ましかったです。会話もつい「ふふ」と笑いの出るような内容でIT2の中でも束の間の息抜きタイムのようでした。(その後ペニーワイズの幻覚で中華料理屋さんのテーブルや内装を破壊していたシーンは、なんというか店側がとても不憫でしたね(笑)修繕費は折半?(笑)海外の映画で修繕費とかリアルなことはさらっと流すようなスタイルとても好きです。)

IT2はひやっと背筋の凍るような恐怖というよりは見ている側を驚かすような演出が多かったなという印象があります。「怖い」と感じるより「おお、びっくりしたー…」となるようなシーンが多く、集まったルーザーズそれぞれが街に戻り記憶のピースを取り戻す回想は特にそう思わされることが多かったです。特に奇妙でホラー要素を感じたのはベバリーがかつて住んでいたアパートに立ち寄るシーンです。呼び鈴を鳴らすと出てきたのでは父親ではなく現在の住居人である老婆。父親は既に亡くなっていたようです。その老婆、ヘバリーを「お茶でもいかが」と部屋に誘います。遠慮気味のヘバリーでしたが老婆特有の親切心から断り切れず「じゃあ、一杯だけ」と部屋にお邪魔します。ヘバリーを迎え入れた老婆が部屋の扉を意味深に閉じるあたりからもう怖かったです。こう、扉を閉めるときの隙間から眼球だけ動かして辺りを見渡す所作がもう…絶対怪しいだろうオーラで溢れておりました。老婆がお茶を入れている間「部屋は好きに見て行ってね」というのでお言葉に甘えかつて住んでいたアパート内の部屋を懐かしむような、トラウマを思い返すような、かつてここであったいろんな出来事を思い出しながら部屋を見渡すヘバリー。そこで思い出したように部屋の下にある木の出っ張りをハサミでこじ開けます。流石に今は老婆の部屋なのだから大胆だなあ…と思い見ているとそこにはヘバリーが12歳のときに貰っていた絵はがき(ラブレター)がありました。そのハガキに書かれている詩がまた素敵ですよね。


―――君の髪は冬の炎 1月の残り火 僕の心も燃える

これはかつてベンがヘバリーに送った言葉です。とてもロマンチックですよね。ヘバリーに恋心を頂いていたベンが秘めたる胸の内をこの詩にのせてヘバリーに送ったものですが当時も、27年後の今もこれを送ってくれたのはビルだとヘバリーは勘違いしています。とっても切ないです…。それはベンが書いたんだよー!と教えたくてたまりませんでした。学校からのいじめや父親からの虐待を受け辛い毎日だった当時のヘバリーにとってのこの絵はがき(ラブレター)は荒んだ毎日に差す一筋の光のような存在だったと思います。そんな懐かしい思い出の絵はがきを持って老婆の元に戻りますが話をしている間に違和感を覚えたり、ついにこの老婆の怪しさに気付いていきます。クッキーを取りにいく老婆がキッチン越しで奇妙な動きをしたりだんだんと裸になっていく姿はもう色んな意味でホラーだしこれぞR15だなと思いました。その老婆もペニーワイズの作った幻覚だと知ると慌てて逃げるヘバリー、飛び出したアパートを改めてみるとそこはとても人が住んでいたとは思えない廃墟のような建物…。初めから全て幻覚だったんですね。

他のメンバーもペニーワイズを倒すためそれぞれが記憶のピースを探して街に戻ります。

そうして持ち寄ったのは

ビル…弟のジョージーに作った舟
ベバリー…ベンからの絵はがき(ラブレター)
ベンは…ヘバリーのサインが書かれたアルバムの1ページ
エディ…呼吸器
マイク…ヘバリーが投げた石
リッチー…ゲームセンターのコイン
スタンリー…秘密基地で蜘蛛の巣避けにしていたシャワーキャップ
(スタンリーは自殺してしまったのでこれはリッチーが持ってきていました。優しい)

さてこれでどうやってペニーワイズを倒すの?と気になっておりましたらマイクが取り出したのはかつてペニーワイズを封印したことのあるなんとか族という部族が使っていた木の壺。…これでどうやって?と思いましたが使い方としてはペニーワイズの住処である洞窟に入ってみんなの記憶を持ち寄った上記のアイテムをこの中で燃やし、呪文を唱えその中に封印するというもの。ドラゴンボールでピッコロ大魔王を封じるのに「魔封波」という技で電子ジャー(炊飯器)に封じ込めたシーンありましたよね。大体あんな感じです。結論から言えばこれ、失敗します。ピッコロ大魔王のときも二度目は失敗してましたし、そもそも過去でも成功してないようか会話をしていましたよね。「未来は違うかもしれない!」とマイクは言ってましたが成功の確証もなく連れてこられた面々はマイクに当たり散らします。弱るどころが皆の恐怖が大きくなったせいで力を増していくペニーワイズは巨大化しルーザーズに襲い掛かります。逃げ惑うルーザーズたちはまたペニーワイズに幻覚を見せられ、その中で精神的に殺されそうになります。それぞれが過去のトラウマを見せられる中でヘバリーはかつて学校でいじめられていたときのトイレの中に閉じ込められ溢れ出る血の海に溺れそうになります。ベンは自分が作った秘密基地の中で砂に埋もれ生き埋めにされそうになるんですが最後の最後でベンはヘバリーの名前を叫びます。「愛してる!ヘバリー!君の髪は冬の炎1月の残り火 僕の心も、」と。その声を聞いてようやくヘバリーはあのときの絵はがき(ラブレター)がベンからの送りものだったと気付きます。わたしは作中でこのシーンが一番泣けました…。すると二人の想いがペニーワイズの幻覚を打ち消したのか、見ていた映像は消え「あなただったのね、ベン」と抱き合う二人(号泣/よかったね、ベン)

巨大化したペニーワイズに死の光を見せられて宙に浮くリッチーを弱虫のエディがずっと手に持っていた庭の柵で突き刺します。弱虫のエディが友人のために勇気を振り絞ったのです。「やった!僕、ペニーワイズを倒した…!」とリッチーを助けられたことに喜ぶエディでしたがその身体にペニーワイズの鋭い腕が貫通し、無残にも殺されてしまいます。(ここもとても…切ないです)物語も終盤だろうと思っていたのでここで死人が出てしまうとは思いませんでした…。

ペニーワイズの餌が自分たちの中にある恐怖からくるものだと気付いたルーザーズたちはペニーワイズを「小さな存在」だと思いこませるためそれぞれが言葉で「お前なんか怖くない」「卑怯者」「弱虫ピエロ」(うろ覚え)と罵倒します。恐怖に打ち勝ち強い心を持ち始めたルーザーズの言葉にペニーワイズはだんだんと小さく、縮小し、最後は赤ちゃんの姿になってしまいました。(この赤ちゃんのシーン、そんなにいじめないでよぉーと手をふりふりしながらぶりっ子しているようでなんだか可愛く思えました(笑))そうして出てきた心臓をみんなで鷲掴み潰して、ペニーワイズは死にました。

ペニーワイズを無事退治し、洞窟から逃げ延びたルーザーズ。(残念ながらエディの亡骸は運べず埋まってしまいました)

ペニーワイズを退治したと共に過去からのトラウマを乗り越えた彼らはそれぞれ新しい生活にと向かいます。

結局ペニーワイズの正体何だったんでしょう。人の心にすくう恐怖から生まれた存在?白い肌に真っ赤なお鼻をしたピエロは人に恐怖を与えることでしか見向きもされない悲しい生き物だったのかもしれません。はじめはただ一緒に遊びたかっただけなのかもね。
ITはホラー映画ではありますが単純に「怖い」と感じるだけではなく少年たちの成長っぷりに涙するところも多く恐怖ではなく感動の涙がこみ上げるシーンもたくさんありました。ITは「1」より「2」が圧倒的に面白いです。きっとホラー映画が苦手な方でも楽しめるはず(グロいのが苦手な方には注意が必要かも)

【追記】
物語のラストでリッチーが恋人の橋に刻んでいた「E×R」の文字、「E」はエディのことでしょうか?エディがペニーワイズに殺されてしまったとき誰よりも嘆き悲しんでいたのは単に友達として一番の仲良しだったからなのかと思いましたが、友達以上の感情があったのかもしれません。ペニーワイズが言っていたリッチーの秘密は彼が「ゲイ」ということなのでしょうか。ベンがヘバリーを想い続けていたように、リッチーがずっとエディに恋心を抱いていたかは分かりませんが過去と向き合うきっかけを得て当時の恋心を思い出したのかもしれませんね。少年だったころに打ち明けられなかった想いをそこに刻んでいったのだと思います。

 

 

【映画】ニューシネマパラダイス【感想】※ネタバレ注意

【映画】ニューシネマパラダイス【感想】※ネタバレ注意

───何をするにしても自分のすることを愛せ。子供の頃、映写室を愛したように。──

ニュー・シネマ・パラダイス」は、1988年公開のイタリア映画で、シチリア島の村に住むサルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(愛称トト)の少年期~中年を迎えるまでの物語です。私が観たのは完全版で3時間ほどありました。

少年期のトトと年の離れたアルフレードが楽しそうに過ごしていく様子を見ると友達になるのに年齢って関係ないんだなあって思います。やんちゃなトトに振り回されるアルフレードもそれはそれで楽しそう。アルフレードとトトの年の差って何歳くらいなんでしょうか?トトが小学五年生のときには40歳だとして(それくらい見えるので)30歳差くらいですかね(想像)

アルフレードは映画好きのトトがミルク代として渡されたお金を映画代に使ってしまい母親から怒られているところを「映画はタダで入れてやったんだよ」と助けてくれたり映画館に入れない村民のために広場の壁に映写機の映像を反射させて上映してくれたり、粋なことをしてくれる楽しいおじさんという感じ。不運なことにこのとき上映していたフィルムが発火し映画館は火事になりましたが逃げ惑う村民の中でトト一人だけがアルフレードを救出します。小さな身体で大きな体格のアルフレードを引っ張る懸命な姿にああ、このままどうなるんだろう、とハラハラしてみてました。あんな大火事の中2人が助かったのも奇跡ですよね。村民はアルフレードよりも娯楽である映画館の心配ばかりでなんだか冷たいなと思いました。ただそれだけ映画が村民にとっては重要な娯楽だったんだと思います。この事件をきっかけにアルフレードとトトの絆はより深まっていったように思えます。

高校生になったトトはエレナという女性に恋をします。それを知ったアルフレードは「女王様に恋をした兵士の話」をトトに話します。それは身分違いの恋でしたが女王様は「100日間バルコニーの下で待ち続けてくれたらあなたのものになります」と兵士に言いました。バルコニーの下で、と聞くとついロミオとジュリエットの有名なシーンが思い浮かびました(あの二人は既に心で結ばれていたので状況としては全く違いますが)兵士は雨の日も雪の日もバルコニーの下で待ち続けます。ついにはやせ細り体力も尽きようとしていた99日目、兵士は途端に姿を消してしまうのです。「あと一日なのに、どうして?」とトトはアルフレードに投げかけます。(わたしも心の中でどうして?と思いました)それは無事100日目を迎えたとき「本当に女王様が自分を受け入れてくれるのか、約束を破って裏切られたりしないだろうか」という不安と「99日で止めてしまえばその間女王様が自分を待ってくれていたと信じられる」という希望からでした。ここまで頑張ったのだから、結果がどうであれ100日まで待てばよかったのに、と思いましたが兵士の心は女王様に裏切られたことを想像するだけで耐えられなかったのでしょう。なんて繊細なんでしょうね。兵士とトトの違いは、トトは何日も待ち続けた末、エレナの心を掴んだことです。あの兵士も、もしかすると100日目にはトトのような幸せがあったかもしれません。100日目がだめでも101日目に期待するくらいの気持ちでいればそれ以上の未来だって見えるかもれませんし、不幸な未来を勝手に想像し結局大切なものを逃してしまうのはもったいないなと思いました。

心を通わせた2人は暫く幸せそうに時を過ごしますがある日エレナの引っ越しきっけけに離れ離れになり、連絡先も分からないまま2人は別れてしまいます。のちにアルフレードはトトに「この村から出ていけ。二度と戻ってくるな、手紙も書くな」ときつく言い放ちます。二人の住む村は小さく閉鎖的で、トトの映画監督としての才能を見抜いていたアルフレードはこのままだとトトの才能や人生までも埋もれてしまう、と思ったのでしょう。「もう二度と会いたくない、お前の噂だけを聞いていたい」とトトに告げてさよならをしてしまいます。可愛い子には旅をさせよということわざに近いものを感じましたが、トトを世に放ったあとも誰よりトトの人生を気にかけていたのもアルフレードです。映画監督になったトトの作品を必ずチェックしトトの載った新聞を何度も奥さんに読み聞かせてもらったり、別れ際の言葉通り「噂だけを」聞きながらトトの成長を楽しみにしていたようでした。戦争中でいろんなことが制限されていた自分に代わりトトには外の世界で存分に自由を味わってほしいという気持ちがどことなく伝わります。

親の心子知らず、のようにそんなアルフレードの気持ちにトトが気付くのはそれから30年も経ったあと、アルフレードが亡くなってからの話です。母親からの電話でアルフレードの死を知ったトトは30年振りに帰郷します。もう帰らないと決めていた土地にはトトがこの場を離れたときと何ら変わらない風景、人々の姿がありました。変わってしまったものと言えばトトとアルフレードの思い出が詰まった映画館「ニュー・シネマ・パラダイス」が閉館になっていたことです。当時は人が溢れんばかりにごった返していた場所もテレビの普及で過疎になってしまいついに取り壊しされてしまいます。一つの時代が幕を閉じたような音をあの爆破音に感じました。

帰郷した際、エレナそっくりの女性(エレナの娘)を見かけたことをきっかけに離れ離れになっていたエレナを発見したトトはエレナに電話をかけ「会いたい」と約束を取り付けます。待ち合わせた薄暗い車の中、すっかりおばさんになってしまったエレナの顔をはっきりと見たトトは「相変わらず綺麗だ」とエレナを見つめます。トトの中では別れたときとなんら変わらないエレナの顔があったのです。二人が別れてしまった当時、映画館へ立ち寄ったエレナにアルフレードが「トトは君と結ばれるべきじゃない」とおせっかいおじさんを発揮していたことを知ったトトは大好きだったアルフレードに裏切られた気持ちで怒りをあらわにしますが「アルフレードの言葉がなければあなたは映画監督として成功することはなかった」とエレナは諭します。映画監督として成功したことは事実でも最愛の人と結ばれなかった悲しみは、どう処理すればいいのでしょう。エレナを想い続けていたトトはあれからもずっと孤独に生きていました。一方エレナは別の男性と添い遂げ子供もいます。(その男性(=ボッチャ)はトトの同級生です。冒頭からみれば分かりますがなかなか癖の強い子ですよ…)再会はしたけれどあの頃の二人に戻るには遅すぎました。映画のフィルムのように時間が巻き戻ることはありません。一夜だけの夢だと思って二人は身体を重ねます。

折角再会は果たせてもエレナとは二度と結ばれることのないと悟ったトトでしたがアルフレードの奥さんから一本の映画フィルムを渡されます。アルフレードがトトに残したものです。(厳密にいうと、預かっていたものです)それは当時キスシーンやポルノ映像が厳しく制限されてい頃に切り取られたシーンを繋ぎ合わせたフィルムでした。それを一人映画館で鑑賞するトト。小さい頃にカーテンから盗み見たいけないシーンを今は堂々と見続ける中で思わず零れる笑み。ただ懐かしいと感じただけなのか、フィルムに込められた意味をトトなりに感じ取ったのか。後者だとすればこのフィルムを繋ぎ合わせながらアルフレードは何を考えていたのでしょう。例えば「映画の規制なんかクソ喰らえだ」「省かれたキスシーンの分だけトトには映画を作って欲しい」「娯楽はもっと自由でいいんだ」なんて時々は愚痴を混じえながら作っていたのかもしれません。トトには「二度と帰ってくるな」とまで言っていたアルフレードですから、フィルムを通してトトにメッセージを送るというよりは映画に対する自分の思いを込めていたような気がします。

この映画を見て号泣、とまでいかなかったんですが単純に年の離れた二人の友情が微笑ましく羨ましくも感じた作品でした。不毛な恋には終わりがありまた映画にも必ず終わりがありますが、トトとアルフレードの友情はいつまでも変わらずそこにあるんだろうなと思いました。

【映画】ポーカーナイト-監禁脱出-【感想】※ネタバレ注意

【映画】ポーカーナイト-監禁脱出-【感想】※ネタバレ注意

新米刑事であるスタンとその恋人エイミーがサイコキラーの自宅に監禁され脱出するまでの映画です。結論からいうと脱出できます。
こういった作品バットエンドが多いイメージなのですがこの映画はそうではなかったので個人的には後味よく終わった映画です。助けに来た先輩刑事が2名殺されてしまったのと監禁した犯人自体が捕まった訳ではないのでそこは悔やまれますが映画のタイトルにある「監禁脱出」は達成されたので作品としてはグッドエンドなのかなと思います。

この犯人についても過去の壮絶な生い立ちや同情を煽るシーンは一切なくどこを切っても鬼畜で自分勝手なサイコキラーだったので主人公のスタンを惜しみなく応援できたのもよかったです。脱出にあったっては主人公が過去に参加したポーカーゲームでの会話が大いに生かさ
れていました。ポーカーゲーム内で語られた先輩刑事たちの経験・教訓・知恵を思い出しそれを脱出のヒントにしていきます。
直接的な脱出方法というよりは「何があっても諦めるな」や「知恵を振り絞れ」だったり気持ちを鼓舞するようなものが多かったですがスタンにとっては実績のあるベテラン刑事のいう事ですから犯人から非道な仕打ちを受けてもその言葉を信じて立ち向かっていきます。作中はポーカーゲームが行われている夜の様子と監禁脱出シーンが交互に繰り広げられます。脱出の続きが気になるときに過去回想がはさまってくるので正直もどかしさはあるのですがスタンがここまで鮮明に先輩刑事の会話を覚えているところが優秀だなと思ったし、スタンは自分が刑事に昇進しことを「たまたま運がよかっただけ」だと言っていますが監禁されても脱出を諦めない気持ちや大切な恋人を必ず救い出すという強い意志を見ると刑事になる素質は十分あったんだと思います。
脱出後は薬漬けにされたエイミーが昏睡状態であったため監禁犯と疑われたスタンが拘留されてしまうんですが、3か月後に意識を取り戻したエイミーがきちんと証言をするまにでに回復したためスタンの容疑は晴れようやく出所します。エイミーの証言がなければ少女の監禁と刑事二人の殺害で犯人にされたままだったでしょうからスタンの運もまだ尽きてはいないようでしたね。(新人が勝った事のないポーカーゲームでもスタンは勝っていたので本当に運はいいのかも)

出所したあとのスタンは自分を監禁し先輩刑事を殺した犯人を捕まえようと奮闘するんですが監禁当初あれだけ一人で踏み込んだことを後悔していたようだったのに最後に犯人の居場所だと思って突入した時は一人だったので「あれ、経験が生かされてないぞ!(笑)一人で行動しちゃだめじゃない!」と思わずツッコんじゃいました。非道な上に狡猾な犯人でしたからスタンがまた監禁されてしまうのでは…とヒヤヒヤしました。先輩刑事二人だって、犯人の巣に一人で踏み込んだから殺されたのにそこは「一人行動は危険」という経験を教訓にして欲しかった。もしかしたら後から応援が来るようになってたんですかね?そこまでの描写はありませんでしたがもし一人で踏み込んでまた監禁なんてされたら物語がふりだしに戻りかねません。この物語でも大切にされている「教訓と後知恵」が台無しになります。
時が流れ、スタン自身にも後輩が出来ます。そして恒例のポーカーゲームではスタン自身が後輩に自分の体験談を語る側にまで成長できました。自分の経験と共に亡くなってしまった先輩刑事2人がスタンに残した経験話も後輩に語り継いで欲しいなと思います。そうしてスタンの経験がいつか後輩刑事の助けになりますように。

【映画】シャザム!【感想】※ネタバレ注意

【映画】シャザム!【感想】※ネタバレ注意

―――見た目はオトナ、中身は子供!

という某名探偵のクールキッドようなキャッチフレーズが気になり鑑賞しました。
主人公のビリー・バットソン(14歳)が「シャザム!」と呪文を唱えると大人(推定20代前半)になって特殊能力が使えるようになるという夢のようなお話です。
里子として引き取られたビリーは同じく里子であるフレディと共にその能力を研究しネット上で動画をUPしてビリーのスーパーマンっぷりを世にアピールしていきます。いま流行りのyoutuberのようなことです。再生回数もぐんぐん伸びてさぞ広告代が入ってくることでしょう。
ビリーが14歳の時には割とクールで落ち着いた男の子、という印象なのですが大人に変身した途端性格が明るく幼くなっているような気がして本当に同一人物なの?と思ったのですがまだ周りに心を開いていない14歳の彼は本来の自分が出せないだけで本当はあれくらい明るい面があるんだろうなあと思うようにしてました。それにいきなり大人になったり特殊能力が使えたり、あんなの誰でも冷静じゃいられないですよね(笑)テンションが高揚するのも頷けます。
途中にあったバス事故のシーンはヒヤヒヤでした。みんな助かったからいいものの、自分で問題を起こし自分で問題を解決して脚光を浴びるなんてこれがわざとでなければただのサイコパスヒーローですよね(笑)

シャザムはお話も面白かったですが吹き替えのキャストさんもよかったです!特に敵役のDr.サデウス・シヴァナの声は子安武人さんで悪役にありがちなダークで理不尽な(中二っぽい/小声)台詞がとても似合ってました。敵役なのにそれだけで好きになりそうでした(笑)

他のキャストさんもとても豪華です。
以下シャザムの吹き替え声優さんです。

・ビリー・バットソン(主人公:14歳)
演 - アッシャー・エンジェル:日本語吹替…緒方恵美

・ビリー・バットソン(主人公:ヒーロー変身時)
演 - ザッカリー・リーヴァイ:日本語吹替…菅田将暉

・サデウス(幼少期)
演 - イーサン・プギオット:日本語吹替…松本沙羅

・Dr.サデウス・シヴァナ
演 - マーク・ストロング:日本語吹替…子安武人

・フレディ・フリーマン
演 - ジャック・ディラン・グレイザー:日本語吹替…阪口大助

・スーパーフレディ
演 - アダム・ブロディ:日本語吹替…小野大輔

・魔術師シャザム
演 - ジャイモン・フンスー:日本語吹替…杉田智和

・ダーラ・ダドリー
演 - フェイス・ハーマン:日本語吹替…遠藤綾

・スーパーダーラ
演 - ミーガン・グッド:日本語吹替…遠藤綾

・メアリー・ブロムフィールド
演 - グレイス・フルトン:日本語吹替…平野綾

・スーパーメアリー
演 - ミシェル・ボース:日本語吹替 …平野綾

・ユージーン・チョイ
演 - イアン・チェン:日本語吹替…宮島依里

・スーパーユージー
演 - ロス・バトラー:日本語吹替…北田理道

・ペドロ・ペーニャ
演 - ジョバン・アルマンド:日本語吹替…かぬか光明

・スーパーペドロ
演 - D.J. コトローナ:日本語吹替…櫻井孝宏

・ローザ・バスケス
演 - マルタ・ミランズ:日本語吹替…三石琴乃

・ビクター・バスケス
演 - クーパー・アンドリュース:日本語吹替…楠大典

・シヴァナ氏(サデウスの父親)
演 - ジョン・グローヴァー:日本語吹替…内田直哉

・シド・シヴァナ(サデウスの兄)
演 - ウェイン・ワード:日本語吹替…北田理道

・ブレット・ブライヤー
演 - カーソン・マックコーマック:日本語吹替…茂木たかまさ

・バーク・ブライヤー
演 - エヴァン・マーシュ:日本語吹替 …落合福嗣

そうそうたるメンバーですよね。
声優さん好きな方は是非吹き替えをオススメします。特にビリー(14歳時)役の緒方恵美さんとDr.サデウス・シヴァナ役の子安武人さんがよかったです。ほんとにかっこいいです。(緒方さんは幽白の蔵馬ですし個人的にとてもテンションがあがりました)

シャザム!はコメディ要素もたくさんあって暗い気持ちになることもなく退屈もしないで鑑賞できた映画でした。「世界を救うつもりなのに、明日学校かよ!」なんていうヒーローがいてもおもしろいですよね(笑)

めでたしめでたし、と思いきや捕まったDr.サデウス・シヴァナが最後芋虫?のようなみどりの生物にそそのかされているところで話が終わったので物語には続編がありそうですね。「悪は簡単に滅びない」のがヒーローものの鉄則なので次作があるならまた鑑賞したいなと思いました。

【補足:シャザムの意味】

Solomon(ソロモン王)知恵

Hercules(ヘラクレス神)腕力

Atlas(巨人アトラス)体力

Zeus(ゼウス神)全能

Achilles(アキレス神)勇気

Mercury(メルクリウス神)神速

これらの頭文字をとってシャザム(SHAZAM)です。

【補足2:バケモノ化していた七つの大罪

憤怒(怒り)
大食(暴食)
傲慢(おごり)
強欲
怠惰
色欲
嫉妬(妬み)

 

 

 

【映画】ジョーカー(JOKER)【感想】※ネタバレ注意

【映画】ジョーカー(JOKER)【感想】※ネタバレ注意

ジョーカー観てきました!観る前にバットマンダークナイトを予習してきて良かったなと思いました。所々リンクしてるところがあります。ただバットマン(ブルース)のお父さん(トーマス・ウェイン)ってあんな偉そうな感じでしたっけ…?映画のバットマンでは貧民層に寄り添う正義感の強いお父さんだったような気がします。トイレで鉢合わせたアーサー(ジョーカー)に対して「何の用だ、サインか?」なんて上から目線で言うようなイメージがまるでなかったのでびっくり…。バットマンのときはあくまでバットマン目線(ブルース目線)のお父さんだったから良い人風に描かれてたのかな。アーサー(ジョーカー)目線だと貧困層を見下す冷たい権力者に見えますね。


ジョーカーのお母さんが本当に精神病で虚言癖があったのかも疑問です。病院のカルテは確かに「虐待」「ネグレクト」「精神病」などの記録がありましたが若い頃のお母さんが映る写真の裏には「TW」(トーマス・ウェイン=バットマンのお父さん)のイニシャルがありました。これはトーマス・ウェインがジョーカーのお母さんに宛てた写真だと思います。男女の関係がないなら名前入りの写真を贈るなんてそんな事しないですよね。病院で取り寄せたカルテの内容だって権力のあるトーマス・ウェインならいくらでも記録を改ざんも出来ただろうし、実際に精神を病んだとしてもトーマス・ウェインに捨てられた後に発症したものかもしれません。ジョーカーのお父さんが本当にトーマス・ウェインだとしたらバットマンとジョーカーって兄弟になるの…?そうなるとダークナイトでは大規模な兄弟喧嘩を観せられてたんでしょうか(母親が違うので異母兄弟ですかね)でもそれが本当だとしたらバットマンのお父さんすごく最低な人じゃないの。身分の違う女性に惚れて子供が出来た途端捨てちゃうなんて。それは……撃たれても仕方ないと思っちゃいました……。


ジョーカーが同僚を銃で殺したとき一緒にいた小人症の彼を殺さなかったシーンは不覚にも泣きそうになりました。ジョーカーがただの悪なら何も考えず殺しそうなものですが「君だけは優しくしてくれたから」と言葉を告げて逃がしてあげます。ジョーカーにもまだ良心が残っていたんだなと安心。人間関係は鏡のようなものだと常日頃思っていて、誰かに優しくした分だけ誰かに優しくしてもらえる、とわたしは思ってます。もちろん初めから見返りを求めたり損得勘定ばかりで接する訳ではありません。ただそんな行いが時に自分の助けになることだってあります。優しくするなんて難しく意識しなくてもいいんです。そんなのは肩が凝るので。何をするにも少しの思いやりをもって接するだけでいいと思います。人を馬鹿にして相手に生まれるものは怒りや憎しみしかないですしその行いはどんな形であれ自分にはね返ってきます。それほど損で無駄なものはありません。どうせなら思いやりから生まれる優しさの方が平和でいいですよね。精神的にもドン底だったアーサーの周りにあと少し「君だけは優しくしてくれたから」と思える人がいれば悪のジョーカーが生まれることはなかったかもしれません。


映画自体が「ジョーカーの誕生」をドキュメンタリーのように描いたものだったのでバットマンダークナイトのように派手な犯罪の演出はありません。殺しの方法も銃を使ったりと割とシンプルなのでこれをヒーロー物の延長だと思って期待してしまうと少し物足りないかもしれませんが、バットマンシリーズが好きでジョーカーの過去が知りたい方や、善人が犯罪者になるまでの過程に興味がある方は楽しめる映画なんじゃないかなあと思います。


【追記】
バットマンとジョーカーって何歳差なんだろう?(ふとした疑問)同じ人間同士でお互い10歳以上は離れてると思いますがダークナイトではバットマンと互角レベルに闘ってたジョーカーの身体能力ってやっぱり凄い。